( ・ω・)渡辺竜王は竜王戦に強いのになぜ順位戦ではB級のままなのですか?
竜王が研究将棋が炸裂すると強いといわれてますが、
それなら、事前に相手が決まっている順位戦のほうが、
はるかに時間を取って研究するので、竜王戦より対策が
取りやすく、勝率もよさそうに思えますが・・・
どうして、竜王は順位戦では、A級に上がれないのでしょうか? ( ・ω・)?
|||
竜王戦はたしかに6連覇していますが、防衛を5回続けているだけです。
渡辺将棋の一番の特徴は、データベースを使った、相手の棋風の徹底的な解明と、
対応策の用意です。
さて、「同じ相手と短期間に7回勝負する」ことと、「異なる相手7人と勝負する」ことは、全く違います。
データベースを使った研究で徹底的に相手を解剖してしまうと、多少新手を出したところで、研究範囲に
すっぽり相手が納まってしまいます。同じ相手との勝負が繰り返されれば繰り返されるほど、「紛れの負け」
がしにくくなるわけです。結果、同じ相手との勝率は上がります。
ところが、いくら対戦相手が1年前から決まっている順位戦でも、毎回相手が違えば、その事前研究による
「相手を自分の射程内に納めているが故の勝利」は、毎回毎回の一回きりで終わってしまうわけです。
一人の相手の研究を10時間すればよい竜王戦に比べて(たとえばの話です)、
順位戦で7人と戦って勝ち越すには、一人当たり10時間として70時間研究しなければならないわけです。
時間は竜王にも平等ですので、竜王が竜王戦の7倍順位戦にいそしむとなれば別ですが、
仮にそれを実践したとしても、それだけ勝ちにくくなるわけです。
というより、勝つ効率が悪くなるわけです。自分の努力に対して。
効率という意味で言えば、タイトルを持っていれば、他の6大棋戦にもシードで出れますし、たった一人の
竜王戦挑戦者の研究に集中すれば、その短い労力で、棋界最高の4600万円の賞金が手に入ります。
かたや、順位戦での研究は、1度きり、その対戦相手にしか報われない、それが12倍もの労力をかけさせることに
なるわけで、仮に竜王戦7番勝負なみに、勝率6割以上(これは竜王戦なら余裕で防衛です)の勝ち越しを決めたとしても
昨年のように、昇級も出来ず、7勝の努力が徒労に終わるわけです。それでいて、A級にあがれば名誉はあるかもしれませんが、
給料が年間180万円ほどアップするだけで、優遇されたシードの恩恵にあずかれるわけでもありません。
利にさとい竜王のことですから、こうした対費用効果をかんがみるに、客観的には研究時間の点で、主観的には意欲の面で、
順位戦での勝率を 竜王戦での勝率なみにあげることことができない、のでしょう。
B1級は9勝3敗(勝率75%!)でも昇級できないのはザラなのですから。
ですから、防衛力がある、というわけではなく、相手を限定して、入念な準備と研究をした場合に勝ち越せる棋士、と
捉えるのが筋が通っている気がします。
満遍なく全ての棋戦に集中し、勝ち越し、多くのタイトルを取り、それがゆえに順位戦を勝ち抜いて名人戦になる羽生さんとは、
タイプが違うのですね。名人戦が、あらゆる棋士としての技能を試される総力持久戦、と捉えれば、竜王戦は、局地で瞬発力勝負をする短期戦ということもできます。
別の見方をすれば、
「教科書の指定されたページの範囲内から出題される期末テストで80点を取ること=竜王戦」
「どの分野のどの問題が出されるか全くわからない模擬試験で80点を取ること = 順位戦」
とも考えることができます。どちらが難しいかわかるでしょう?期末試験で80点とれた人が模擬試験で80点取れたら
逆にすごいことです。
異なる素質なわけですから、同じ勝率を残すことは難しいですよね。
|||
渡辺竜王がなかなかA級に上がれない一因としては、B1に苦手が多いから。
特に苦手なのが
深浦王位 2勝7敗
久保棋王 2勝8敗
行方八段 1勝4敗
杉本七段 2勝3敗
である。
今期はここまで6勝2敗だが、深浦王位、行方八段、杉本七段との対局が残っているだけに、まだまだ予断を許さない。
0 件のコメント:
コメントを投稿