2012年3月8日木曜日

( ・ω・)渡辺竜王は竜王戦に強いのになぜ順位戦ではB級のままなのですか?

( ・ω・)渡辺竜王は竜王戦に強いのになぜ順位戦ではB級のままなのですか?

竜王が研究将棋が炸裂すると強いといわれてますが、

それなら、事前に相手が決まっている順位戦のほうが、

はるかに時間を取って研究するので、竜王戦より対策が

取りやすく、勝率もよさそうに思えますが・・・



どうして、竜王は順位戦では、A級に上がれないのでしょうか? ( ・ω・)?


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竜王戦はたしかに6連覇していますが、防衛を5回続けているだけです。

渡辺将棋の一番の特徴は、データベースを使った、相手の棋風の徹底的な解明と、

対応策の用意です。



さて、「同じ相手と短期間に7回勝負する」ことと、「異なる相手7人と勝負する」ことは、全く違います。

データベースを使った研究で徹底的に相手を解剖してしまうと、多少新手を出したところで、研究範囲に

すっぽり相手が納まってしまいます。同じ相手との勝負が繰り返されれば繰り返されるほど、「紛れの負け」

がしにくくなるわけです。結果、同じ相手との勝率は上がります。



ところが、いくら対戦相手が1年前から決まっている順位戦でも、毎回相手が違えば、その事前研究による

「相手を自分の射程内に納めているが故の勝利」は、毎回毎回の一回きりで終わってしまうわけです。

一人の相手の研究を10時間すればよい竜王戦に比べて(たとえばの話です)、

順位戦で7人と戦って勝ち越すには、一人当たり10時間として70時間研究しなければならないわけです。

時間は竜王にも平等ですので、竜王が竜王戦の7倍順位戦にいそしむとなれば別ですが、

仮にそれを実践したとしても、それだけ勝ちにくくなるわけです。

というより、勝つ効率が悪くなるわけです。自分の努力に対して。



効率という意味で言えば、タイトルを持っていれば、他の6大棋戦にもシードで出れますし、たった一人の

竜王戦挑戦者の研究に集中すれば、その短い労力で、棋界最高の4600万円の賞金が手に入ります。

かたや、順位戦での研究は、1度きり、その対戦相手にしか報われない、それが12倍もの労力をかけさせることに

なるわけで、仮に竜王戦7番勝負なみに、勝率6割以上(これは竜王戦なら余裕で防衛です)の勝ち越しを決めたとしても

昨年のように、昇級も出来ず、7勝の努力が徒労に終わるわけです。それでいて、A級にあがれば名誉はあるかもしれませんが、

給料が年間180万円ほどアップするだけで、優遇されたシードの恩恵にあずかれるわけでもありません。



利にさとい竜王のことですから、こうした対費用効果をかんがみるに、客観的には研究時間の点で、主観的には意欲の面で、

順位戦での勝率を 竜王戦での勝率なみにあげることことができない、のでしょう。



B1級は9勝3敗(勝率75%!)でも昇級できないのはザラなのですから。

ですから、防衛力がある、というわけではなく、相手を限定して、入念な準備と研究をした場合に勝ち越せる棋士、と

捉えるのが筋が通っている気がします。



満遍なく全ての棋戦に集中し、勝ち越し、多くのタイトルを取り、それがゆえに順位戦を勝ち抜いて名人戦になる羽生さんとは、

タイプが違うのですね。名人戦が、あらゆる棋士としての技能を試される総力持久戦、と捉えれば、竜王戦は、局地で瞬発力勝負をする短期戦ということもできます。



別の見方をすれば、



「教科書の指定されたページの範囲内から出題される期末テストで80点を取ること=竜王戦」

「どの分野のどの問題が出されるか全くわからない模擬試験で80点を取ること = 順位戦」



とも考えることができます。どちらが難しいかわかるでしょう?期末試験で80点とれた人が模擬試験で80点取れたら

逆にすごいことです。



異なる素質なわけですから、同じ勝率を残すことは難しいですよね。



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渡辺竜王がなかなかA級に上がれない一因としては、B1に苦手が多いから。

特に苦手なのが

深浦王位 2勝7敗

久保棋王 2勝8敗

行方八段 1勝4敗

杉本七段 2勝3敗

である。

今期はここまで6勝2敗だが、深浦王位、行方八段、杉本七段との対局が残っているだけに、まだまだ予断を許さない。

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