2012年3月8日木曜日

プロの将棋で一番長く打ってた記録って、何手打っているものがあるんでしょうか?

プロの将棋で一番長く打ってた記録って、何手打っているものがあるんでしょうか?


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「将棋世界」1976年12月号より。



長い将棋



坂本一裕(青森・高校教諭)



先日、ある本を読んでいたら「長い将棋」について記してあり、

昭和44年の芹沢博文八段と原田泰夫八段の順位戦が、390手で、最長

手数記録である。としている。「記録は破られる為にある」と言わ

れるが将来のことはともかくとして、過去において果してそれが、

最長かどうか調べてみた。

古くは安政5年、棋聖、天野宗歩と、秋田の鬼、と言われた山田

力之介五段との、飛落ち戦が、309手で、長手数の王座を占めていた。

昭和14年、当時の都新聞の、勝ち継ぎ戦で、溝呂木光治七段と、梶

一郎六段の、香落ち戦があった。下手の梶に、若さにまかせた指し

過ぎがあり上手優勢のまま、中盤に入ったが終盤で梶が、勇戦奮闘、

溝呂木も油断なくがんばったが、ついに双方入玉となってしまった。

しかし上手の方が駒数不足で、判定負けとなるべきだが、ずっと優勢

であっただけに投げ切れず、と金をつくって引きつけるやすり攻めの

応酬で、一晩中、戦うこと、実に560手、ついに上手の投了となった。

新聞には、溝呂木の了解を得て、228手まで掲載された。両雄共に

早指しなので、ここ迄は、合計6時間より使っていない。梶はこの

一局をはさんで、5人抜きの活躍を果した。

戦後の記録としては昭和26年の、藤川義夫五段と、神田鎮雄六段

の順位戦が、何と405手の長手数で、結果は、藤川が勝っている。

溝呂木、梶戦を別格とすれば、本局が古今の、最長手数であろう

と思っていたが、上には上があるもので、明治42年10月15日の国民

新聞、名家負退将棋の第1回、井上義雄八段と勝浦松之助六段の

香落ち戦に、444手の、一局があることを発見した。

本局は上手三間飛車から浮き飛車に構え、下手1筋の歩を交換して、

タレ歩で攻めたが、上手有利の岐れとなった。しかし勝浦は入玉を

目指して粘りに粘り、井上ややあせったか、緩手を演じ、下手の逆転

勝ちとなった。

結局実際に指した将棋の最長手数は、溝呂木・梶戦。新聞に掲載

された将棋としては、井上、勝浦戦、戦後最長は、藤川、神田戦で

あり、芹沢、原田戦は、これに次ぐものであろう。

http://shogi-pineapple.com/bbs/mibbs.cgi?mo=p&fo=pro&tn=0087&rn=30



蛇足ですが、囲碁は「打つ」ですが、将棋は「指す」、と言います。



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昭和44年の芹沢博文八段VS原田泰夫八段の順位戦における390手

先手芹沢博文八段勝利。双方入玉したが、原田八段は点数が足りず投了。

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