将棋の「厚み」ってどういう概念ですか?
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論より証拠、「厚み」と聞いて私がいつも思い出す将棋を1局ご覧いただきたいと思います。
97年順位戦 近藤五段(先)×宮田七段
http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=11544
見ていただきたいのは64手目以降の攻防です。先手で穴熊に組んだ近藤五段に対して、宮田七段は玉頭位取りで対抗。先手の穴熊は金銀四枚の堅陣ですが、宮田七段はこれを上から押しつぶすように攻め、近藤五段の懸命の防戦をものともせず、ほとんど小駒だけの攻めで180手の長手数で圧勝してしまいました。
本局は厚みを重視する宮田七段の棋風が遺憾なく発揮された名局です。とりわけ60手目、78手目、102手目と実に三度にわたって放たれた自陣香が強く印象に残ります。
厚みの大切さというのはなかなか理解されにくい概念ですが、本局で少しでもそれを感じていただけると幸いです。
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盤面において位をとる(五段目に歩を進める)形を決めることにより相手陣に圧迫を加える意図で指す、これが「厚み」を加えると言われるものです。駒がぶつかる、交換する、捌くという急戦の将棋とは真逆の持久戦模様でじっくり指す展開で重視される概念で、玉の広さや駒の働きに大きく関わります。
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